十年樹木、百年樹人 馬遅伯昌著

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理研究家 馬遅伯昌さん、90歳の本(現在101歳でお元気にされています)

もう、とんでもないスケールの本。当時の中国のいわゆる良家の凄さに圧倒されます。

四合院と呼ばれる住宅での、使用人も合わせて50人位での生活。当時のハルピンの国際的な雰囲気も生き生きと描写されています。家にはもちろんプロの料理人がいて、昼はロシア料理、夕食は中華料理を食べていたこと。17歳で弟達と共に日本に留学。1年後に帰国、その後結婚。そして時代は戦争の足音が…。

子供を抱え、時には夫と離れハルピンから北京、長春奉天…果ては香港まで流浪の日々を送り、1948年再来日。その後、紆余曲折があり料理研究家となるのです。

エピソードが、どれも本当に凄い。二二六事件から米国大統領まで出てくる。

上流階級ってこういうことなのね、教育ってそういうことなのね、と唸ってしまう。

そうして、それらが美しく、もちろん嫌味なく綴られています。

さらっと読めるけど、深く心に残る本。お勧めです!